
・最近、寝ぼけているのかふらふらしている
・突然歩き方がいつもと違うようになった
・足を捻ったのかな?
それもしかしたら脳や神経に異常が起きているサインかもしれません。
今回は「おかしな歩き方」について詳しく解説していきます。今後のヒントとしてお役立てください。
おかしな歩き方の原因
おかしな歩き方の原因は大きく3つに分けられます
神経系の異常

・前庭疾患・・・耳の奥に存在する前庭(三半規管)の異常によりふらつきが出ます。それ以外に斜頸や眼振などの症状が出る場合もあります。
・脳の疾患・・・脳腫瘍、脳炎、脳梗塞、脳出血など脳のトラブルでふらつきが出る場合があります。
・脊髄の病気・・・脊髄に病変があると、神経の麻痺が起こるため、ふらつきだけでなく足を引きずってあることがあります。
整形系の異常(筋肉・骨・関節など)

・脱臼・・・股関節、膝蓋骨などの関節のずれによる歩行障害
・関節炎・・・様々な関節が関節炎を起こすリスクがあります。
・加齢変化・・・年齢とともに筋力が低下していき、歩行状態に異常をきたすことがあります。
それ以外にも整形疾患として靭帯の断裂や、骨折などによっても歩行異常は出てきます。
内臓系の異常
・心臓病・・・血液の循環不全によって、失神やふらつきが出ることがあります。特に運動時や興奮時によく見られます。
・貧血・・・貧血になると、酸素を運ぶ赤血球が減り脳が酸欠状態になります。その結果ふらつきが出る場合があります。
・代謝異常・・・低血糖、糖尿病、甲状腺機能低下症、低カルシウム血症などの内科疾患でもふらつきが出る場合があります。
・中毒・・・玉ねぎ、チョコレート、観葉植物などの誤食によってふらつきが起こることがあります。
診断方法
診断するためにはいくつかの検査を組み合わせて行っていきます。
1.問診・視診・触診
まずは、症状がいつから始まったのか、どのような場面で気づいたのか、生活環境に変化がなかったかなどを詳しくお聞きします。また、実際の歩き方や姿勢を確認し、足先の使い方、痛みの有無、筋肉や関節の状態などを丁寧に触診していきます。
2.神経学的検査・整形外科的検査
歩き方の異常が「神経由来」なのか「骨・関節・筋肉由来」なのかを見極めるために重要な検査です。反射や足の動き、関節の可動域、痛みの有無などを確認し、神経系や筋骨格系に異常がないか評価します。
3.血液検査
内臓疾患や感染症、中毒、代謝異常などが歩行異常の原因となっている場合もあります。血液検査では、全身状態を確認し、隠れた病気がないかをチェックします。
4.画像診断(レントゲン・超音波検査)
骨折や関節疾患、椎間板疾患、腫瘍などの有無を確認するために、レントゲン検査を行うことがあります。必要に応じて超音波検査を組み合わせ、体内の異常をより詳しく評価します。
5.さらに詳しい検査(CT・MRI)
脳や脊髄の病気が疑われる場合には、CT検査やMRI検査を行うことがあります。
特に、突然のふらつき、麻痺、意識の変化を伴う場合には、神経疾患の可能性を考慮し、精密検査が必要になることがあります。
治療法は?

歩き方がおかしい原因が特定できれば、その病気や状態に合わせた適切な治療を行うことができます。治療方法は、原因となっている疾患の種類や重症度、進行具合によって異なります。
主な治療方法
お薬による治療
・抗生物質・消炎鎮痛薬・・・中耳炎・内耳炎など、感染や炎症が原因の場合に使用します。
・ステロイド薬・・・脳炎や脊髄の炎症など、免疫や炎症が関与している病気で使用されることがあります。
・抗てんかん薬・・・てんかん発作や発作に伴う神経症状がみられる場合に使用します。
点滴療法
脱水の改善や全身状態の安定化、血流・循環の改善を目的に行います。
特に、食欲低下や嘔吐を伴う場合、ふらつきによって十分に水分摂取ができない場合などに重要な治療となります。
安静・内科管理
軽い外傷や、軽度の椎間板ヘルニアなどでは、無理に動かさず安静に過ごすことが回復につながる場合があります。必要に応じて、痛み止めや神経保護薬などを併用しながら経過をみていきます。
外科手術
症状が重度であったり、内科治療だけでは改善が難しい場合には、手術が必要になることがあります。
・重度の中耳炎・内耳炎
・重度の椎間板ヘルニア
・脳腫瘍や脊髄を圧迫する病気
などでは、外科的な治療を検討することがあります。
まとめ
歩き方の異常は、単なる足のケガだけでなく、神経疾患や命に関わる病気のサインであることもあります。
「様子を見ていたら悪化してしまった」というケースも少なくありません。
“少し歩き方が変だな”と思った時点でご相談いただくことが、早期診断・早期治療につながります。
気になる症状があれば、無理をさせず早めに動物病院へご相談ください。
荻窪桃井どうぶつ病院/杉並動物循環器クリニックでは、公式ライン・インスタグラムにて飼い主さん向けの情報を発信しています。



