しこりを見つけた場合の対処|犬|ボストンテリア|皮膚組織球腫

今回はしこりを見つけたとき、どうしたらいいのかについてお話ししようと思います。

身体にしこりができているのを見つけたとき、これはなんだろうと不安になられると思います。
しこりは皮膚、耳、口腔内などあらゆる場所にできます。
炎症でできたもの、腫瘍でできたものの、大きく2つに分けられます。
それを調べるのに有用な検査方法として、細胞診検査があります。

細胞診検査は、そのしこりがどんな細胞でできているのか調べる検査です。
それにより、確定診断できることもありますが、多くは確定診断できない場合もあります。
しかし、これは経過観察しても問題ないもの、これは切除して治療・精査すべきもの、
手術する際大きく切除する必要があるもの、などその場で今後の治療の方向性を決めるのにとても有用な検査です。
しこりの場所によっては鎮静が必要な場合もございますが、
採血に使うのと同じ、細い針のみで検査できるので、動物への負担・侵襲のとても少ない検査です。

例をご紹介します。
8歳のボストンテリアちゃん、左頬に1cm大の赤いしこりができました。

細胞診検査をしたところ、

このような細胞が見られました。

しこりの肉眼所見と合わせて、『皮膚組織球腫』と診断しました。
この腫瘍は珍しい腫瘍で、何もしなくても自然退縮して治ることがあります。
この子は1〜2ヶ月で自然退縮し、きれいに治りました。
事前に細胞診検査ができたことで、不必要な手術も避けることができました。

このような場合もございますので、いきなり手術ではなく、一度ご相談くださいませ。

獣医師  山本