避妊・去勢手術

避妊手術のメリット

・望まれない妊娠を防ぐことができる。
・子宮蓄膿症や乳腺腫瘍など、性ホルモンに影響する病気を防ぐことができる。
 
<犬の避妊手術後の乳腺腫瘍発生率>
     初回発情前: 0.5%
   1回目の発情後:  8%
   2回目の発情後:   26%

※猫も早期に避妊手術を行うことで、乳腺癌の発症リスクを86~91%減らすことができると報告されている。

去勢手術のメリット

・望まれない妊娠を防ぐことができる。
・前立腺肥大症や精巣腫瘍をぐことができる。
 ※精巣が陰嚢内に降りていない場合(潜在精巣)は、精巣が腫瘍化する確率が最大10倍になると報告されています。
・犬のマーキングや猫のスプレー行動等の問題行動を抑えることができる。
 ※一度学習してしまうと、避妊去勢手術により性ホルモンの分泌がなくなっても抑制することは難しくなります。

※手術後は肥満になりやすい傾向があるので、栄養管理が大切になってきます。
※手術は全身麻酔下で行います。事前に予約が必要となりますので、一度ご来院いただくか、お電話でお問い合わせください。

犬のワクチン接種

狂犬病ワクチン(義務)

1957年以降、日本国内での狂犬病の発生はありません。
しかし、狂犬病は発生していない国のほうが少ないぐらい、今現在も世界中の国々で人や動物にとって脅威である感染症です。

狂犬病予防法という法律で、すべての91日齢以上の犬は年に1回の接種が義務付けられています。
4〜6月が予防接種月間ですが、病院では1年中いつでもワクチン予防接種可能です。

※接種の際は、区役所から送付された封書をお持ちください。なお、新規登録も可能です。

※体調不良や疾患の治療中の子達は、獣医師の判断で予防接種を猶予して良いという決まりがあり、ご不安な方は一度ご相談いただければご対応いたします。狂犬病ワクチン猶予証明書を発行いたします(有料)。

混合ワクチン(任意)

ドッグランやペットホテル、サロンなどの施設では感染予防、衛生管理から混合ワクチンの接種を求められるところが多く、打たなければ、生活に支障が出る子が多いのが現実です。
感染病から愛犬を守るという意味でも1年に1回混合ワクチンの接種をすることが望ましいです(子犬は約6週齢から1か月毎に3回行います)。
当院で扱っている予防接種は以下の通りです。

【犬7種ワクチン】

犬パルボウイルス感染症
犬ジステンパー
犬伝染性肝炎
犬アデノウイルス(2型)感染症
犬パラインフルエンザ
犬レプトスピラ症(2種類)

【犬5種ワクチン】

犬パルボウイルス感染症
犬ジステンパー
犬伝染性肝炎
犬アデノウイルス(2型)感染症
犬パラインフルエンザ

猫のワクチン接種

混合ワクチン(任意)

ウイルスが体内に入り、病気になってしまう感染症。その予防には、定期的にワクチン接種をし、感染に対する免疫力をつけることが有効です。
外に出ることのない家の中で飼っている猫にも感染症リスクはあります。
人がウイルスを持ち込んだり、ベランダに出た時や診察などで外出した際に感染したりする可能性があるので、ワクチン接種は必要です。
日本では、猫のワクチンは1年に1回接種することが推奨されています(子猫は約8週齢から1か月毎に2回行います)。
当院で扱っている予防接種は以下の通りです。接種するワクチンは生活環境などによって異なります。 お気軽に獣医師にご相談ください。

【猫5種ワクチン】

猫ウイルス性鼻気管炎
猫カリシウイルス感染症
猫汎白血球減少症
猫白血病ウイルス感染症
猫クラミジア感染症

【猫3種ワクチン】

猫ウイルス性鼻気管炎
猫カリシウイルス感染症
猫汎白血球減少症

フィラリア(犬糸状虫)予防

蚊によって感染する、フィラリアという寄生虫を予防します。
寄生虫が犬の体内に寄生することで、心臓病や血液循環障害などを引き起こし、最悪の場合は命を落としてしまうこともあります。

予防期間は蚊が活動を始めてから、活動を終えた1ヶ月後までです。
蚊は平均気温が14度以上になると飛び始めますので、地域にもよりますが、だいたい3~4月から11月~12月くらいまでの8ヵ月間程度、継続する必要があります。
毎年予防薬を始める前に、必ず既にフィラリアに感染していないか、検査をさせていただきます。
当院では錠剤・チュアブル剤・スポット剤の予防薬があります。

また犬フィラリア症は、猫にも感染します。

猫は犬と比べてフィラリアの寄生数が少なく、多くの場合で症状が乏しく、また検査などによる診断が難しいため、発見が困難な病気です。
症状が現れたときにはすでに体は危険な状態で、命が脅かされている場合もあり、健康そうにみえても突然ショック状態となり死亡することもあります。
フィラリアにかかっている猫は意外に多く、家の中で飼っている猫にも感染していることがわかっています。
継続的に予防を行い、感染を防ぐことが大切です。

ノミ・マダニ予防

ノミやマダニに刺されると、痒みや皮膚炎などの症状を引き起こすだけではなく、さまざまな病原体を媒介する危険性があります。
また子犬や子猫に多数のノミやマダニが寄生をすると、貧血を起こすこともあり、定期的な予防と駆除が重要となります。

気温が13度を超える3月~12月頃まではノミ・ダニが活動的になる時期ですが、近年では真冬の被害も増えており、当院では1年を通しての予防をお勧めします。

また、近年話題となっており、マダニから人に感染し、致死率が10~30%に達する恐ろしい病気である「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染を防ぐためにも、愛犬・愛猫の予防を行うことを強くお勧めいたします。