犬の子宮蓄膿症について

今回は未避妊の中高齢犬の女の子に多い「子宮蓄膿症」についてです。

子宮蓄膿症とは?

子宮蓄膿症とは、子宮の中に膿が溜まる病気です。英語で「pyometra(パイオメトラ)」と表記するので、「パイオ」とも呼ばれています。

子宮蓄膿症の症状は?

  • 外陰部から膿の排泄
  • 食欲や元気の低下
  • 多飲多尿
  • 発熱
  • 血尿(実際は血尿ではなく子宮から血や膿が出て尿と混じっている)

徐々に調子が悪くなってくる子もいれば、急にぐったりして状態が急激に悪化する場合もあります。

診断方法は?

血液検査では白血球の増加や貧血など、炎症を示す所見、炎症マーカーの上昇、腎数値の悪化などがみられることが多いです。

レントゲンや超音波検査で液体貯留のある子宮が確認できます。

治療法は?

根本的な治療は外科手術であり、卵巣と子宮の両方を取り除く「卵巣子宮全摘出術」と呼ばれる手術を行います。

手術の方法は避妊手術と同様に子宮と卵巣を取り除くことですが、健康な状態での避妊手術とは状況が異なり子宮の中に膿が溜まっている状態であり、身体への負担やリスクは通常の避妊手術より格段に高くなります。

まとめ

確実な予防方法は卵巣と子宮を取り除く避妊手術をおこなうことです。その他にも避妊手術を若いうちに行うことで乳腺腫瘍の予防にも繋がるため、避妊について検討している方はぜひ相談してください。

こちらの記事で更に詳しく記載しています。

ぜひご参考ください。


荻窪桃井どうぶつ病院/杉並動物循環器クリニックでは、公式ライン・インスタグラムにて飼い主さん向けの情報を発信しています。

友だち追加