今回は、抗がん剤を用いた治療(化学療法)がどんなものなのか、起こりうる副作用や注意点などについて、お話していきます。
抗がん剤(化学療法)とは?
抗がん剤治療とは抗がん剤によりがん細胞を減らす治療法でがん細胞だけでなく主に全身の細胞に作用します。
一般的な抗がん剤の効果は、ガン細胞の細胞分裂を阻害することで発揮します。抗がん剤が作用することで、がん細胞は分裂することができなくなり、その細胞は死んでいきます。抗がん剤は健康な細胞よりもがん細胞によく効果を発揮するのですが、同時に健康な細胞へも影響するため、程度に差はあるものの副作用が生じるのです。ただ、抗がん剤を投与していくうちに、がん細胞にも耐性ができてきて、いずれは抗がん剤が効かなくなってしまいます。
そのため抗がん剤の治療の目標は副作用をできる限り抑えながらがん細胞を減らし、ワンちゃんネコちゃんが苦しまずに生活できるようにしてあげることです。
抗がん剤の副作用は?
1、骨髄抑制
→抗がん剤が投与されると骨髄における血球の増殖も抑えられ、特に好中球(白血球の一種)と血小板の数が低下します。
2、脱毛
→毛根の細胞が抗がん剤の影響を受け脱毛が見られる場合があります。
3、消化管毒性
→吐き気や下痢、食欲低下などが見られます。
この3つの症状が多く見られます。
抗がん剤治療中の生活について
抗がん剤投与中に散歩やドッグランなどの運動制限は通常ありません。
抗がん剤投与後は、排泄物に抗がん剤が含まれている場合があるので排泄物の処理に注意する必要があります。
まとめ
今回はワンちゃん、ネコちゃんの抗がん剤についてお話しました。
抗がん剤の投与の際は、副作用に注意しつつ、体調の変化に気づけるようワンちゃんネコちゃんの様子をよく観察しておくことが重要です。
抗がん剤について気になることがあればなんでも相談してください。
こちらの記事で更に詳しく記載しています。ぜひご参考ください。
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