ネコの投薬方法について

ネコは犬と比べて鼻が短いので薬を投与する際には、いくつかの工夫と注意点が必要です。また、猫は薬を飲むのが苦手な場合が多いため、ストレスを最小限にし、スムーズに投薬できるよう工夫しましょう。

1. 錠剤の投薬方法

  • おやつを使う:ちゅーるや当院にもあるちゅーるポケット、市販の「ピルポケット」(薬を包んで与えるおやつ)などを利用すると、ネコが気づかずに薬を飲んでくれることがあります。
  • 食事に混ぜる:薬を普段食べているウエットフードなどに混ぜて与える方法です。ただし、上手に薬を避けて食べる子だったり、薬が混ざっていると思い、いつも食べていたご飯を急に食べなくなってしまったりするので、少量ずつ混ぜるなどして様子見ながら与えるようにしましょう。
  • 手で直接投与:薬を指でしっかり持ち、ネコの口を軽く開けて、喉の奥に薬を入れます。

手順

  1. 頭部が動かないように頬骨に指をかけ安定させる
  2. もう片方の手でネコの下あごを軽く下げ、口を開ける
  3. 薬を喉の奥にめがけて落とし、口を閉じる
  4. 薬を飲み込ませるために、手で喉をさするか、水を少量与える。(鼻先を舐める仕草をすれば飲み込めているサイン)

2. 液体薬の投薬方法

  • シリンジで直接投与:犬歯の後ろに優しく挿入し、薬をゆっくり流し込みます
  • おやつを使う:小さなスプーンなどに薬をとって、直接またはチュールなどのおやつを使用して舐めさせます

3. 散薬の投薬方法

  • 直接投与:ほっぺたを外側に引っ張り口の中を少し広げ、歯とほっぺたの間に薬を入れたらほっぺたをもんで唾液と混ぜ合わせます
  • おやつを使う:液体薬同様、小さなスプーンなどに薬をとって、直接、またはチュールなどのおやつを使用してネコに舐めさせます

4. 薬の投与時のコツ

  • 落ち着いた環境で行う:ネコがリラックスしているときや、食後に投薬する方がスムーズにいきます。できるだけストレスを減らすよう心がける
  • おやつやご褒美を使う:薬を飲んだ後におやつやお好きなご飯を与えることで、投薬をポジティブな体験にする
  • 投薬後の観察:薬を飲ませた後、吐き出す場合もあるのでネコの様子をしばらく観察して、薬がきちんと飲み込まれているか、異常がないかを確認する

錠剤を直接飲ませる場合

ちゅーるなどのおやつと一緒に飲ませる場合
※今回はそのまま飲ませていますが、難しい子は錠剤をすり潰して粉にし、ちゅーるに混ぜると飲んでくれることがあります

5. どうしても飲まない場合

  • 獣医師に相談:どうしても薬を飲んでくれない場合、獣医師に相談して、別の形態の薬に変更してもらうことを考えましょう(例えば、注射や異なる処方薬など)
  • お薬の味を隠す方法:特定の味に敏感なネコもいるため、薬に対して嫌悪感を持つ場合があります。そんな時は、いろいろなおやつを試してその子が好きなものを探すと効果があることもあります。


まとめ
ネコの投薬はストレスになりやすいので、焦らず、少しずつ慣れさせていくことが大切です。また、投薬に関してわからないことがあれば、獣医師に相談してサポートをもらいましょう。