
大切なワンちゃんネコちゃんのために、定期的にワクチン接種を受けさせている方も多いと思います。
今回はワクチンの話でも、“抗体価”を中心にお話しします。
ワクチン抗体価とは?
ワクチンで作られる免疫には、“効果が維持できる期間”があります。この効果が維持できる期間はその子によってそれぞれ違ってきます。また、予防接種でもよく心配されることは“副作用”です。
近年、体の中にきちんと免疫があるどうかを調べ、免疫がある場合はワクチンを打たなくても良い、という選択もできるようになってきました。
ここで言う“体の中の免疫”を調べる方法が、ワクチン抗体価と呼ばれる血液の検査です。ワクチン抗体価が低い=体の中の免疫が不十分、なのでワクチンを打ちましょうということになります。
抗体価を調べることのできるウイルスは?
ワクチン抗体価を調べることができるウイルスの種類は実は決まっています。
犬で抗体価を調べられるウイルス
✅犬ジステンパーウイルス
✅犬アデノウイルス
✅犬パルボウイルス
猫で抗体価を調べられるウイルス
✅猫パルボウイルス
✅猫カリシウイルス
✅猫ヘルペスウイルス
混合ワクチンにはどの種類のワクチンにも抗体価を調べられるウイルスと調べることができないウイルス、両方が混じっています。
抗体価は必ず調べたほうがいい?

出典:富士フィルムHP
上のグラフはワクチンを打った後、体の中で免疫がどのくらい強化されるのかを示しています。ワクチン接種直後は線がグンと上がってしっかりと免疫がつくられていますが、徐々に少なくなっていき、やがて抗体が十分ではなくなっていきます。
ワクチン抗体価を調べるのと年1回ワクチン接種どちらがいいの?

ワクチン抗体価を調べてからワクチンを打つか決める場合と、年1回のワクチン接種をする場合と、どちらにもメリットとデメリットがあります。
・ワクチン抗体価を調べてからワクチンを打つか決める場合
メリット:副作用の可能性を少なくできる
デメリット:調べられないウイルスの抗体価が分からないので、その感染症にかかる可能性がある。測定した時は十分な抗体価があっても、それがいつ低くなるかは予測できない。
・年1回ワクチンを打つ場合
メリット:しっかりと感染症予防ができる
デメリット:副作用の可能性がある
まとめ
ワクチンの抗体価が調べられるようになってワクチン接種に関してもいろいろな選択ができるようになってきました。
過去にワクチンを打ってアレルギーが出た子に対しては、ワクチン抗体価を検査するなど、その子に合わせたワクチン接種プログラムを考えていきましょう。

こちらの記事で更に詳しく記載しています。ぜひご参考ください。
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