低血糖とは?
低血糖とは、血液中のブドウ糖(血糖値)が異常に低くなる状態をいいます。
犬や猫にとってブドウ糖は脳や体を動かすための大切なエネルギー源です。血糖値が下がりすぎると、けいれんや意識障害など、命にかかわる危険な症状を起こすことがあります。
犬猫の低血糖の主な原因
低血糖は年齢や体質、病気などさまざまな理由で起こります。
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子犬・子猫:体が小さく、エネルギーを蓄える力が弱い
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小型犬種(チワワ、トイプードルなど):血糖値が下がりやすい
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長時間の空腹:食事をとらないことで血糖が不足
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激しい運動やストレス:エネルギーを急激に消耗
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病気によるもの:糖尿病のインスリン治療、肝臓の病気、膵臓の腫瘍(インスリノーマ)など
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術後や全身状態の悪化:体力低下で血糖を維持できない
低血糖の症状
低血糖は進行すると非常に危険です。早期のサインを知っておきましょう。
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元気がなく、ぐったりしている
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ふらつき、よろける、歩けなくなる
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震え(特に体が小さい子犬で多い)
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異常な鳴き声や落ち着きのなさ
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けいれん発作
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意識がなくなる
※重度になると回復が難しくなるため、症状に気づいた時点で早急に受診が必要です。
応急処置
低血糖が疑われる場合の一時的な対処法をご紹介します。ただし、あくまで応急処置であり、必ず病院での治療が必要です。
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意識がある場合:
→ ハチミツや砂糖水を少量なめさせる(口の中や舌に塗る) -
意識がない場合:
→ 無理に飲ませないこと(誤嚥の危険あり)
→ すぐに動物病院へ
治療方法
動物病院では、血糖値を測定しながら以下の治療が行われます。
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ブドウ糖の点滴や注射
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原因となる病気の治療(例:インスリン投与量の調整、肝疾患や腫瘍の治療など)
予防のためにできること
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子犬・子猫には少量をこまめに食べさせる
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食事抜きや過度な運動を避ける
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糖尿病でインスリン治療中の場合は、投薬量と食事量を必ず守る
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体調に異変があれば、早めに受診する
気をつけること
低血糖は早期発見と早めの対応が命を救う病気です。
「なんだか元気がない」「震えている」「ふらついている」などの小さな変化を見逃さないことが大切です。もし少しでも低血糖を疑う症状があれば、すぐに動物病院へご相談ください。
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