
今回は、犬猫の肥満についてお話しします。
人でも肥満は問題視されていますが、犬や猫でも同様に肥満は大きな問題です。
犬や猫の肥満は「病気」です。単に「少し太っている」状態ではありません。
さまざまな病気のリスクを高める重要な健康問題であり、近年では「生活習慣病」と考えられています。
見た目では分かりにくくても、体の中では確実に負担が増えています。
肥満の判断基準は?
当院ではボディコンディションスコア(BCS)を用いて体型評価を行っています。
ボディコンディションスコアは、見た目と触れた状態から、体型を9または5段階で評価したものです。

肋骨が触れにくい、上から見たときにくびれがない場合は、
肥満傾向の可能性があります。
肥満の主な原因は?

犬猫の肥満は「食べすぎ」だけが原因ではありません。いくつかの要因が重なって起こることがほとんどです。
肥満の原因として以下のようなものがあります。
- 食事量が多い、または高カロリーなフード
- おやつの与えすぎ
- 運動不足
- 避妊・去勢手術後の代謝低下
- 加齢による活動量の低下
特に「少しだけ」の積み重ねが肥満につながることが多く見られます。
肥満が引き起こす主な病気
肥満は多くの疾患と深く関係しています。
犬の場合
- 関節疾患(膝蓋骨脱臼、前十字靭帯断裂など)
- 心臓病・呼吸器疾患
- 椎間板ヘルニア
- 糖尿病
猫の場合
- 糖尿病
- 脂肪肝(肝リピドーシス)
- 関節疾患
- 下部尿路疾患
肥満は多くの病気の入り口です。逆に言えば、体重管理は上記の病気の予防に役立ちます。
肥満の治療・管理について
犬猫の肥満治療は、「無理に痩せさせる」ことではなく、健康的に体重を落とすことが目的です。
肥満の改善には、食事管理と運動管理が基本となります。
食事管理
- 適正カロリーの算出
- ダイエット用フードの活用
- おやつの見直し
- 計量カップやスケールの使用
肥満治療のメインは食事管理になります。
運動管理
- 犬:無理のない散歩時間の調整
- 猫:遊びによる運動量の確保
急激な減量は体に負担をかけるため、
ゆっくり・安全に減量していくことが重要です。
ダイエットの注意点

急激なダイエットは逆に犬猫の体調を崩す場合があります。
特に、猫のダイエットは急激に食事量を減らすと、肝リピドーシスという病気を起こす危険があるため注意が必要です。
そのため、食事管理や運動は無理のない範囲で行い、関節や心臓に持病がある場合は食事管理を優先します。おやつは原則控え、体重や体型を定期的に確認しながら、獣医師の指導のもとで安全に進めることが大切です。
当院での取り組み
当院では、以下のような肥満対策を行っています。
- 体重・BCSの定期チェック
- 食事内容の見直し提案
- ライフステージに合わせたフード選択
- 無理のない減量プログラムの作成
「まだ病気ではないから大丈夫」と思われる段階こそ、予防が最も効果的です。
まとめ
肥満は、飼い主さまのサポートで改善できる病気です。
愛犬・愛猫が健康で長く過ごすためにも、体型が気になった時点で、ぜひ一度ご相談ください。
荻窪桃井どうぶつ病院/杉並動物循環器クリニックでは、公式ライン・インスタグラムにて飼い主さん向けの情報を発信しています。



