寒くなってくる今の時期に気をつけたい病気

今回は、秋から冬にかけてかかりやすい犬猫の病気について説明します。

ようやく暑い時期が終わり、過ごしやすい季節となってきていますが、気温低下による環境変化は、犬や猫にとってかかりやすい病気がいくつかあるので注意が必要です。以下に主な病気とその対策について詳しく説明します。

1. 呼吸器疾患

寒い季節になると、寒さや乾燥により免疫力が低下しやすいためウイルスや細菌が原因で、くしゃみ、咳、鼻水、食欲不振などの症状が現れやすくなります。特に猫だと、猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)や猫カリシウイルス(FCV)が多く見られます。これらの病気は混合ワクチンで予防できるため1年に1回打つことをおすすめします。また普段の生活では、部屋を暖かくし、適切な湿度に保つことを心がけましょう。

2. 関節炎

寒くなってくると散歩に行く頻度が減り、運動不足になりがちだと思います。そのため肥満気味になったり、筋肉が衰えてしまうことから関節炎を発症しやすくなります。関節炎は寒さや湿気で関節の動きを鈍らせ、痛みやこわばりを引き起こすため、無理な運動は避け、体重管理をしっかり行い、適度な運動量を心がけましょう。

3. 皮膚病

秋冬の乾燥した環境は、犬や猫の皮膚に悪影響を及ぼします。皮膚が乾燥し、かゆみや炎症が生じることがあるため注意が必要です。特にアレルギー体質のペットは、皮膚病が悪化しやすいです。定期的にシャンプーをしたり、消毒をしたりすることで皮膚を清潔に保つことを心がけましょう。

散歩が大好きな病院犬のこぶちゃくんは元々皮膚が悪いため、寒い時期は乾燥しないように洋服とネックウォーマーを着て散歩に行っています!

4. 泌尿器疾患

寒さで水分摂取が減ると、膀胱炎や尿道閉塞などの泌尿器疾患のリスクが高まります。特に、室内飼いの猫は水をあまり飲まないことが多いため注意が必要です。適切な飲水量や、普段の食事内容を見直し、排泄の状態を日頃からよく観察しておくことが大切です。もし頻尿や血尿、排尿時の痛みが見られた場合は、早めに獣医師に相談してください。

尿検査でよく観察される結晶↓

ストラバイト結晶

シュウ酸カルシウム結晶

まとめ

寒い時期は犬や猫にとって体調を崩しやすい季節です。適切なケアを行うことで、多くの病気を予防できます。ペットが快適で健康に過ごせるよう、環境を整え、定期的に健康チェックを行うことが重要です。異常を感じた場合は、早めに獣医に相談することをおすすめします。