
今回はフィラリア症についてのお話です。予防薬を使用していると思いますが、一体どんな病気なのでしょうか?
この機会にフィラリア症を知って、フィラリアからあなたのワンちゃんを守ってあげましょう。
フィラリア症とは?

多くの哺乳動物に、犬糸状虫(フィラリア)と呼ばれる寄生虫が肺動脈や心臓に寄生することで引き起こされます。この寄生虫は蚊によって運ばれてきます。
フィラリアが犬に寄生するまでは?
まず、フィラリアに感染している犬の血液を吸うことで蚊の体内にフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)が入り込みます。蚊の体内に入ったミクロフィラリアは、蚊の中で成長し、犬に感染ができる幼虫になります。この幼虫を体内に持つ蚊が犬に吸血することで犬の体の中へと侵入します。
犬の体に侵入した幼虫は、犬の皮膚の下で成長し、侵入してから3~4ヶ月で肺動脈へと移動します。肺動脈に辿り着くと成虫にまで成熟します。
症状は?
- すぐに疲れる
- 咳がでる
- 呼吸が荒くなる
などが症状に出ます。そのほかにも体重が減ったり、肝臓や腎臓、赤血球なども侵されてしまい、失神が見られることもあります。
寄生する数にもよりますが、少数の寄生では特に症状がなく、感染に気づかないこともあります。多い場合は200匹以上も寄生すると言われています。
検査方法は?
犬の血液中にミクロフィラリアがいるか顕微鏡で調べる方法があります。また、近年では血液を使った検査キット(成熟した雌のフィラリアが作るタンパク(抗原)を検出する仕組み)を使って検査する方法もあります。
・血液を使った検査キット

治療法は?
治療の適応と判断した場合には成虫のフィラリアを駆虫する薬を使うことがありますが、死滅したフィラリアが血管に詰まっていき、かえって悪化させてしまうリスクがあります。高齢だったり、他に病気を抱えている犬、無症状~軽度の症状の場合は、ミクロフィラリアを薬で取り除き、成虫のフィラリアの寿命を待つ、という対症療法を選びます。
予防の大切さは?
フィラリアは予防をすればほぼ100%感染を防ぐことができるので、ワンちゃんを守るためにしっかりと予防してあげてください。

フィラリアの予防薬には色々な種類があります。飲ませるタイプの錠剤やおやつタイプのもの、皮膚に滴下するもの、注射タイプもあります。フィラリアと同時に他の寄生虫に対しても効く予防薬もありますので、一緒にどのタイプの薬が合っているか決めていきましょう。

こちらの記事でフィラリアについて更に詳しく記載しています。ぜひご参考ください。
荻窪桃井どうぶつ病院/杉並動物循環器クリニックでは、公式ライン・インスタグラムにて飼い主さん向けの情報を発信しています。

