
今回は痛みや麻痺を引き起こす “椎間板ヘルニア” についてのお話です。
どんな病気?
背骨は脊髄を取り囲んでいる骨であり、脊髄を保護しています。その脊椎同士の間には椎間板があり、脊椎が動く際のクッションの役割をしています。この椎間板が何らかの原因で飛び出して脊髄を圧迫することで神経の異常がでてくる病気が椎間板ヘルニアです 。

↑椎間板物質による神経の圧迫が見られます。
症状は?
痛みや足の麻痺が出ることが多いですが、症状は重症度により次の5つの段階があります。
グレード1・・・痛みがあるが、神経の働きは正常で、歩行は正常にできる状態。
グレード2・・・歩くときにややふらつく(足がすべったり、足の着く位置がおかしかったり)が、歩行はできる状態。
グレード3・・・後ろ足をひきずって歩くなど、4本足で歩くことはできない状態。
グレード4・・・さらに麻痺が進行し、表層の痛みを感じなくなり自分の意志でおしっこができなくなる。
グレード5・・・骨など、体の表面から離れた深い部分の痛みも感じることができなくなる。
診断方法

症状の確認と身体検査や神経学的検査という方法で椎間板ヘルニアを疑い、レントゲン検査を行う事が一般的です。またしっかりと精査を行うために脊髄造影検査やCT、MRIといった全身麻酔が必要となる検査を行う事になります。

治療法
治療は大きく分けて内科療法と外科療法があります。
内科療法・・・炎症を抑える薬や痛み止め、安静にすることで症状が改善していくかを見ていきます。
外科療法・・・手術により背骨を削り神経を圧迫している椎間板物質を直接とります。
自宅でできること
好発犬種のワンちゃん(コーギーやミニチュアダックスフンドなど)や、一度椎間板ヘルニアになったワンちゃんなどは次のようなことに気をつけて生活させてあげてくださいね。
・滑らない床にする
・階段やソファのジャンプはしないようにする
・適度な運動で筋力を維持する
・肥満には注意する
一旦症状が無くなっても、外科手術をしない限りヘルニア自体はそのままの状態です。ちょっとしたことがきっかけで同じ部位の症状の再発、別の部位の椎間板ヘルニアが起こることがあるので、普段の生活から気をつけていきましょう。

詳しい内容はこちらで紹介しています。ぜひ参考にしていただけたれと思います。
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