
犬猫の疼痛管理は、生活の質(QOL)を大きく左右する重要なケアです。
飼い主自身の精神的負担の軽減にもなるため、今回はワンちゃん猫ちゃんが痛みを感じているサインだったり、その時の対応などを詳しく説明します。
犬猫の疼痛管理の基本
1. 痛みの種類
痛みは”急性痛”と”慢性痛”の大きく2つに分類されます。
● 急性痛(外科手術・急性炎症など)
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短期的だが強い痛み
<症状>
・心拍数の増加
・血圧上昇
・呼吸促進 など
● 慢性痛(骨関節炎、がんなど)
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4週間以上持続するもの
<症状>
・進行に伴って変化するため、痛みの評価が困難
2. 痛みのサイン(犬猫で共通)
🐶 犬
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ケージから出ようとしない/元気がない
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ケージの扉に背を向ける/術部を気にする
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触られるのを嫌がる/声を出す など

出典:公益財団法人 動物臨床医学研究所
🐱 猫(特に痛みを隠しやすい)
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耳が離れて平らになる(怒っているときのような)
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目を細めている
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排泄回数が減る(トイレに入らない) など
3. 疼痛管理の方法
● 環境づくり
・同居の子など他の動物から離し、静かで落ち着ける場所を確保する
・体温や室内の温度管理が万全に行える状況を整える
・術創(手術をした所)はもちろん、体表を清潔に保たれる状態を維持する
● 体位
・その子が一番楽な姿勢を確保する
・自立困難な場合は床ずれなどにならないよう2~3時間ごとに体位変換を行う
4. まとめ
わんちゃん猫ちゃんは言葉を発しないため、私たち人間がいち早く気づいてあげることが非常に重要になってきます。
そのため、まずは怪我をしない環境づくりをし、日頃からペットの表情や、ご飯の食べる量・排泄回数などの行動をよく観察しましょう。
もし”いつもと様子が違う”、”痛そう”と少しでも感じたらすぐに獣医師にご相談ください。


