「最近、口臭が強くなってきた」
「歯茎が赤くなっている」
「口元を触ると嫌がるようになってきた」

もしかしたらそれは歯周病が原因かもしれません。
今回は歯周病についてお話しします。是非最後まで読んでいただき今後のデンタルケアの参考にしていただければと思います。

■犬の歯周病とは？

犬の歯周病は、歯の周りの組織（歯茎・歯槽骨・歯根膜）に炎症が起こる病気です。
歯垢（プラーク）に含まれる細菌が原因となり、進行すると歯を支えている骨が溶けてしまうこともあります。

犬では非常に発生率が高く、3歳以上の犬の約80％前後が歯周病を抱えているといわれています。
痛みを隠してしまうため、気づいたときには中等度〜重度まで進んでいるケースが多いのが特徴です。

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■犬の歯周病の進行段階

歯周病はゆっくり時間をかけて進む病気です。以下の段階を踏むことが一般的です。

① 歯垢（プラーク）形成

食べかすや細菌が歯の表面に付着します。柔らかく、数時間で形成されます。

② 歯石の形成

歯垢が硬く固まり、2〜3日で歯石に変化します。
歯石そのものは悪さをしませんが、細菌の温床になります。

③ 歯肉炎（軽度）

・歯茎が赤い
・歯茎が腫れる
・口臭が出る
この段階ではまだ痛みをあまり見せないため気づきにくいです。

④ 歯周炎（中〜重度）

細菌によって歯根や歯槽骨が壊されていく段階です。
・歯がグラグラする
・顔を触ると嫌がる
・固いものを噛まない
・膿が出る
など、症状が明らかになります。

⑤ 歯が自然に抜ける・全身疾患のリスク

重度になると、歯が抜けるだけでなく、
細菌が血液中に入り込んで心臓・腎臓・肝臓などに悪影響を与えることがあります。

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■犬の歯周病の症状

以下のような変化が見られたら要注意です。

• 口が臭う（強い口臭）
• 歯茎が赤い・腫れている
• 歯の付け根が黒い（歯石）
• 食べるときにこぼす
• 硬いおやつを食べなくなった
• 口元を触ると怒る・嫌がる
• よだれが多い
• 歯がグラグラしている

犬は痛みを隠すため、痛くても普通に食べてしまうことがあります。
「食べている＝痛くない」ではないので注意が必要です。

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■なぜ犬は歯周病になりやすいのか？

人と比べて犬が歯周病になりやすい理由は次の通りです。

① 唾液の性質

犬の唾液はアルカリ性のため、歯石が形成されるスピードが早いです。

② 歯の構造

小型犬では特に、歯と顎のサイズバランスが合わず、歯に汚れがたまりやすいです。

③ 歯みがき習慣がない

ほとんどの犬が毎日歯みがきをしていません。
人は毎日磨くのに対し、犬は週1でもしていないケースが多いのが現状です。

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■どうやって治療するの？

歯周病は家庭で治すことはできず、動物病院での治療が必要です。

1. 麻酔下での歯科検査

・歯科レントゲン
・歯周ポケットの計測
・破折や根の吸収のチェック

外から見えない歯の根の状態を詳しく調べます。

2. スケーリング（歯石除去）

超音波スケーラーで歯石をしっかり取り除きます。

3. ポリッシング（研磨）

歯の表面を滑らかにし、歯石の再付着を予防します。

4. 必要に応じて抜歯

歯周病で支えが失われている歯は、治療よりも抜歯したほうが痛みが改善されます。

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■家庭でできる歯周病予防

歯周病は「治す」より「予防」がはるかに効果的です。

① 毎日の歯みがき

歯周病予防で確実な方法です。
最初は数秒からでOK。徐々に歯ブラシに慣らしていきます。

② デンタルガム・デンタルおもちゃ

あくまで“補助的”な役割です。
ガムだけで歯周病は防げません。

③ 歯みがきペーストの活用

犬が好きな味（チキン、ミント、バニラなど）を選ぶと慣れやすくなります。

④ 定期的な歯科検診

年1〜2回は歯科検診を行うようにしましょう。

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■こんなときは早めに受診しましょう

• 口臭が急に強くなった
• 歯茎が腫れている
• 痛そうにしている
• 片側だけで噛んでいる
• 歯が欠けた、折れた
• 目の下に腫れができた（歯根膿瘍の可能性）

歯科の病気は放置すると悪化しやすいため、早期治療がとても大切です。

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■まとめ

犬の歯周病は毎日の歯みがきが最も効果的な予防法です。
デンタルガムの併用や定期的な動物病院での歯科チェックを行い、大切な歯と健康を守りましょう。