犬猫の膵炎について 症状・原因・検査・治療をわかりやすく解説します。

■膵炎(すいえん)とは?
膵炎とは、膵臓(すいぞう)という臓器が炎症を起こしてしまう病気です。膵臓は、
・食べ物を消化する酵素を作る
・血糖値を調整するホルモン(インスリンなど)を分泌する
という大切な働きをしています。
膵臓が炎症を起こすと、体内のさまざまな機能に影響し、命に関わることもある病気です。
犬と猫の膵炎の違い
膵炎は犬にも猫にも起こりますが、発生のパターンや症状が異なることがあります。

●犬の特徴
・急性膵炎が多い
・症状が突然出て重症化することがある

●猫の特徴
・慢性膵炎が多い
・はっきりした症状が出にくく、気づきにくい
膵炎の症状は?
■犬の症状
・急な嘔吐
・強い腹痛(お腹を丸める、触られるのを嫌がる)
・食欲不振
・下痢
・元気消失
・発熱
・脱水
症状が急に出ることが多く、重症化するとショック状態に陥ることもあります。
■猫の症状
猫は比較的「隠す」動物のため、症状があいまいなことがあります。
・食欲が落ちる
・元気がない
・体重減少
・少し吐く
・毛づやが悪くなる
・脱水
・元気だけどなんとなく調子が悪い
「少し様子がおかしい」程度の変化でも膵炎の可能性はあるため注意が必要です。
膵炎の原因は?

膵炎の原因は完全には分かっていませんが、以下が関与すると考えられています。
■犬で多い原因
・高脂肪の食餌、盗み食い
・肥満
・高脂血症(遺伝性の犬種もいる:ミニチュア・シュナウザーなど)
・薬剤の副作用
・外傷
・内分泌疾患(クッシング症候群、糖尿病など)
■猫で多い原因
・三臓器炎(膵炎+肝炎+胃腸炎が同時に起こる)
・肝臓・腸の慢性疾患
・胆管閉塞
・感染症
・外傷
・ストレス
診断方法は?

膵炎は、1つの検査だけで診断できるわけではなく、総合的な判断が必要です。
●血液検査
・膵特異的リパーゼ(cPL・fPL)の上昇
・白血球の増加
・脱水や炎症の指標の変化
●超音波検査(エコー)
・膵臓の腫れ
・周囲の炎症
・胆管の異常
などを確認します。
●レントゲン
膵炎の直接診断はできませんが、他の病気を除外するために行います。
●便検査、尿検査
全身状態を評価し、合併症のチェックに役立ちます。
膵炎の治療方法は?

膵炎の治療は、原因治療とサポート治療が中心です。
■① 点滴
・脱水改善
・血流を整え膵臓を休ませる
・電解質バランスを整える
これは膵炎治療の要になってきます。
■② 痛み止め
膵炎は強い腹痛を伴うため、痛み管理は非常に重要になってきます。
■③ 抗吐剤
嘔吐が続くと脱水が悪化するため、症状のコントロールとして使用します。
■④ 食事管理
以前は「絶食」が主流でしたが、現在は吐き気が落ち着いたら早期に低脂肪食を開始する
ことが推奨されています。
猫では、食べない状態が続くと肝リピドーシス(脂肪肝)を起こすため、早期の食事再開が非常に重要です。
■⑤ 抗生剤
細菌感染の疑いがある、胆管炎が併発しているなどのときに使用します。
気をつけることは?
●犬の場合
・高脂肪のオヤツを控える
・テーブルからの食べ物を与えない
・肥満予防
・適量給餌
・ミニチュアシュナウザーなどの高リスク犬種は特に注意
●猫の場合
・慢性の胃腸症状や肝臓の異常がある場合、早期治療
・ストレスを減らす環境づくり
・食欲低下が続くときは早めに受診
まとめ
膵炎は早期発見と早期治療が何より大切です。
犬猫の膵炎は、食欲不振や吐き気などの“よくある症状”から始まるため気づきにくい病気です。
しかし、重症化すると命に関わることもあり、早期の診察がとても重要になってきます。
「なんとなく元気がない」「食欲がいつもよりない」など少しでも気になる症状があれば、早めにご相談ください。
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