犬と猫の心電図キャンペーン|8~9月限定

心臓疾患の早期発見を目的としたキャンペーンのため、
・心電図検査が初めての子
・過去に当院または他院にて、心臓疾患と診断されていない子 
を対象に、特別価格にて心電図検査の案内をさせて頂きます

※別途診察料がかかります

詳細は以下をお読みいただくか、お気軽に当院までお問い合わせください。
ぜひ一度、心臓のチェックに来院いただくことをお勧めいたします。

循環器診療担当獣医師 木﨑 

(出勤スケジュールもご確認ください)
https://omah.tokyo/schedule/

※循環器診療担当獣医師の木﨑が休みの日も、心電図検査キャンペーンをご利用いただけます。但し、検査結果の判読及び説明は木﨑が実施したしますので、後日改めてご来院いただく必要があります。予めご了承ください。

「心電図」は、心臓を動かしている“電気の流れ”を波形で記録する検査です。
脈のリズムや異常や不整脈の有無など、心臓の働きを細かくチェックできます。

🔍 こんなときに実施します。
・脈が速い/遅い
・ふらつきや失神がある
・麻酔前の健康チェック など

検査は数分ほどで、痛みもありません。電極を体に軽くつけて、リラックスした状態で行います。
「元気そう」でも見えない不調が隠れていることも!
定期的に心電図検査をすることで、“未来の安心”につながります。

心電図検査だからこそ発見できる心臓病もあります。

WPW症候群では、時に急激な心拍数の上昇をする房室回帰性頻拍という状態になって、フラフラになったり倒れたりしてしまいます。

正常な猫の心電図

WPW症候群

房室回帰性頻拍

WPW症候群が原因となり、頻拍(心拍数が極端に早くなる)が起こりやすくなります。

●症例2 3度房室ブロックのワンちゃん 11歳

3度房室ブロックでは、心房から心室への電気信号が完全に遮断されます。そのため、心房と心室が独立したリズムで拍動し、心室の脈が遅くなることから、めまいや失神、最悪の場合には突然死を引き起こすことがあります。

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犬の高度房室ブロックおよび第3度房室ブロックは無治療の場合,3年間の観察中の突然死の割合は42%であり,その多くが1ヶ月以内に起こるとされている。ペースメーカ植込み術を行った場合,生存期間は有意に延長するため,高度および完全房室ブロックの治療の第一選択はペースメーカ植込み術である。

Schrope D.P., Kelch W.J., et al. (2006): Signalment, clinical signs, and prognostic indicators associated with high-grade second- or third-degree atrioventricular block in dogs: 124cases (January 1, 1997 – December 31, 1997). J. Am. Vet. Med. Assoc; 228:1710-1717.

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必要な場合には早急にペースメーカ植込み術を実施可能な施設をご紹介いたします。

正常な犬の心電図

3度房室ブロック

P波(心房の電気信号)とQRS波(心室の電気信号)の発生がバラバラに…。
WPW症候群、3度房室ブロック共に犬猫共に起こりえる心臓疾患です。

これらの疾患は心電図検査から発見できます。

このような症状が見られたら心臓病の可能性があります。
今回の心電図検査キャンペーンはもちろん、心雑音のチェックや胸部レントゲン検査、心臓超音波検査などもお勧めします。

今回の心電図キャンペーンで実施する一般的な心電図とは異なり、ホルター心電図は「不整脈」でお困りの子、「失神」してしまう子の診断、治療に役立つ機検査器です。
あまり導入している動物病院は多くないかもしれませんが、簡単に言うと、長時間記録のできる心電図です。

小型の心電図を胸につけて固定しておくだけで、最長1週間くらいの心電図の記録を撮り続けながら、リアルタイムかつ遠隔でスマホで確認することができます。(少しだけ胸の毛を刈らせていただきますが、従来のものより遥かに狭い範囲です)

この心電図の記録と、ご家族にご協力してもらって記録する「行動記録」を照らし合わせて、「◯時◯分に食事」「◯時◯分に散歩」「◯時◯分に投薬」「◯時◯分に失神」というタイミングの心電図から診断をくだします。

実際の検査の様子 
スマホの観察画面

飼い主さんからはよく「発作」という表現で相談を受けることもあります。
しかし、「失神」と「発作」は実は違うもので、獣医師はおおまかに、心臓の問題なのか、脳神経や代謝(血液検査でわかるような)の問題なのかと分けて考えます。

脳に血液(酸素)が送られないことで急に力が抜けて意識を失ったりふらついたりします。不整脈、神経調節性失神、肺高血圧症などの病気が原因となります。

原因は様々ですが筋肉の動きが制御できずにバタバタしたり体が突っ張ってしまったりします。てんかん発作などの脳神経の問題や、低血糖発作、肝臓病による肝性脳症、低カルシウム血症などがあります。

ですので、ホルター心電図を使用する前には、まずは一般的な身体検査、血液検査、レントゲン検査、心電図検査、血圧測定、超音波検査などを受けていただく必要があることがほとんどです。

とはいえ、実は獣医師もこれを混同してしまっていることが多く、せっかくいろいろな検査をしてもらっていても正しい診断に辿り着けないケースが多く見られます…。

さらに、獣医師は心電図が非常に苦手な傾向にあり(もちろんすごく得意な先生もいっぱいいますが!)、心電図の取り方から間違ってしまっているケースがよく見られます。

・急に失神したり、ふらつくことがある
・失神と発作の区別がつかない
・疲れやすい
・不整脈と診断された(房室ブロック、洞不全症候群、心房静止、上室(心房)期外収縮、上室頻拍、心房細動、心室期外収縮、心室頻拍など)
・拡張型心筋症やボクサー心筋症(不整脈源性右室心筋症)が疑われている
・神経調節性失神が疑われている

※神経調節性失神とは?
特定の行動の後に失神やふらつきが認められるものです。
例)咳、飲食、排便・排尿時、散歩前の嬉しさの表現や吠えるなどの興奮時

これらの診断には問診もかなり重要です。

・お家での様子や飼育環境
・症状が発症する時の引き金になっていそうな行動や出来事
・症状が出た時の動画(これがあるとどのような症状かがとても伝わりやすいです)
・症状が出た後の様子など

より細かく把握していただけているほど診断に近づきます。

心電図で発見できる心臓病の一例としてご紹介した房室ブロックの場合、特に犬ではすぐに治療しないと亡くなってしまうケースもあるため、心配なことがあればなるべくお早めにご相談ください。

心電図検査を受けたことがない子や、中高齢になってきたので心臓の検査を受けてみたい子は、是非この機会に心電図キャンペーンをご利用ください!