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軟部外科Soft Tissue Surgery

軟部外科とは?

軟部外科とは、内臓や皮膚、血管、筋肉などの「神経外科や整形外科以外のほぼ全ての組織」を扱う外科手術を行う分野です。 消化器や泌尿器、生殖器など、動物の体内の様々な臓器に対する手術を含みます。腫瘍の摘出や腹腔の手術、怪我の治療など、幅広い治療が必要なため、病気やケガの治療だけでなく、動物の生活の質を守るためにも重要な役割を担っています。

軟部外科で対応する疾患と症状

  • 腹腔内(消化器泌尿器生殖器肝臓腎臓脾臓膵臓など)の手術
  • 胸腔内(肺前縦隔食道など)の手術
  • 体表面(皮膚乳腺鼻など)の手術
  • 口腔内(⻭科軟口蓋など)の手術
  • 腫瘍外科等

当院では幅広い領域をカバーし手術を行うことが出来ます。難易度の高い手術を行う際にはJAHA外科認定獣医師が担当し、専門性の高い獣医療を提供することが出来ます。

軟部外科担当医師

山下 弘太

山下 弘太KOUTA YAMASHITA

<資格>
JAHA 外科認定医
JAHA 総合臨床医
<経歴>
2009年 宮﨑大学農学部獣医学科卒
2009年〜
ダクタリ動物病院エンジェルメモリアル広尾セントラル病院 現ダクタリ動物病院東京医療センター
2012〜2015年ダクタリ動物病院代々木分院⻑
2015年〜ダクタリ動物病院東京医療センター副院⻑
2017年〜JAHA 総合臨床医・外科認定医
<所属>
日本獣医麻酔外科学会、日本獣医がん学会、
犬・猫の呼吸器臨床研究会、日本動物病院協会

腹腔内(消化器泌尿器生殖器肝臓腎臓脾臓膵臓など)の手術、胸腔内(肺前縦隔食道など)、体表面の手術(皮膚乳腺鼻など)口腔内(⻭科軟口蓋など)の手術や腫瘍外科など広い領域に渡り、難易度の高い手術を当院にて実施する際には、外科の専門性の高いJAHA外科認定獣医師が担当します。

当院の高度な軟部外科診療

診断時には各種検査機器を用いて患部を正確に把握し、動物にとって最適な治療法を検討します。画像診断を得意とする獣医師や、豊富な知識を持つ認定医も多数おり、診察、検査、そして治療まで、一貫した体制を整えています。

01.専門的な診断と治療計画

診断時には各種検査機器を用いて患部を正確に把握し、動物にとって最適な治療法を検討します。画像診断を得意とする獣医師や、豊富な知識を持つ認定医も多数おり、診察、検査、そして治療まで、一貫した体制を整えています。

02.安全な麻酔管理

軟部外科の手術では麻酔が必要になるため、当院では麻酔のリスクを最小限に抑えるための管理体制が整っています。経験豊富な麻酔科認定医が在籍しているため、安全な麻酔管理を最新の機器を用いて行うことができます。麻酔についての詳細はコチラ→

03.術後ケアの充実

手術後は回復状況に応じたケア方法を飼い主様と共有し、サポートを続けます。飼い主様が安心してご自宅でのケアができるように、具体的なアドバイスも行っています。

軟部外科と他専門分野の連携

軟部外科での手術は、他の科の専門的な知識や治療と連携することで、さらに効果的な治療が可能になります。当院では、軟部外科に関わる各分野の専門医と連携し、動物の総合的なケアを行っています。

例えば腫瘍摘出手術では、腫瘍科担当医やアドバイザーと協力して摘出後の腫瘍が再発しにくいようにするためのアフターケアを計画しています。また、腫瘍が体の他の部位に転移している可能性がある場合、転移先に応じた治療プランを多角的に複数立てることで、治療の精度を高めていくということも必要になります。

軟部外科手術は身体のさまざまなシステムに影響を与えることがあるため、術中の管理や術後のケアが重要で、内科や麻酔科の協力が欠かせません。そのため、手術中や術後に起こり得るリスクを最小限に抑えるために、他の専門医と密に連携し、内臓や血液循環のモニタリングを行いながら手術を進めています。

軟部外科による処置が必要な疾患とは

軟部外科による受診が必要となる疾患をイメージしにくいという方も少なくないと思われます。軟部外科では、下記のように緊急性が高く、外科的手術を伴うものが多いです。
一部抜粋し、紹介いたします。

腸閉塞ちょうへいそく

概 要
腸閉塞は腸管が詰まり、内容物が通過できなくなる状態で、腫瘍、異物、腸重積などが原因です。放置すると腸壊死や命に関わる合併症を引き起こします。
症 状
嘔吐、食欲不振、元気消失、腹痛、便秘、あるいは血便などが現れます。進行に伴い脱水していき、ショック状態となることもあります。
検査診断
触診で腸管の異常を確認し、レントゲン検査や超音波検査で詰まりの原因を特定します。身体検査や血液検査で脱水や炎症の程度を把握します。場合によっては内視鏡検査を行うこともあります。
治療法
手術で原因を除去することが必要です。軽度の場合、内視鏡による異物除去や、絶食と点滴治療で回復を図ることがあります。
– 実際の症例(腸閉塞)
異物による腸閉塞

異物誤飲いぶつごいん

概 要
犬猫が異物を飲み込むことによる疾患で、腸閉塞や胃炎、穿孔などのリスクを伴います。好奇心旺盛な若齢動物で特に発生しやすいです。異物によって危険度や処置内容が変わります。食べてしまったものがどのようなものかを、なるべく正確に動物病院にお伝えください。
*食べたものの一部または全部があれば見本としてお持ちください。
症 状
異物の種類によりますが、嘔吐、食欲低下、腹痛、便の異常(血便や便秘)などが見られます。竹串や尖った骨などの異物が胃や腸など消化管を傷つけると激しい痛みが生じます。
検査診断
レントゲン検査や超音波検査で異物の位置や状態を確認します。バリウム造影検査が補助的に用いられることもあります。身体検査や血液検査で炎症や脱水を評価します。場合によっては内視鏡検査を行うこともあります。
治療法
異物の種類によりますが、吐かせることができるものであれば催吐処置を行います。催吐処置で吐かない、または催吐処置が適さない場合は内視鏡を行います。吐かせることができないものや、内視鏡の届かない位置にある場合は外科手術で除去します。誤飲防止のための日常管理が何よりも重要です。
– 実際の症例(異物誤飲)
異物誤飲の症例01
異物誤飲の症例02

胃捻転ちょうねんてん胃拡張・捻転症候群いかくちょう・ねんてんしょうこうぐん

概 要
胃捻転は主に大型犬に多く見られる緊急性の高い疾患で、胃が異常に膨らみながらねじれることで臓器や周囲組織の血流障害から生体にさまざまな悪影響を及ぼし、短時間のうちに命にかかわる状態へと進行するため迅速な対応が求められます。
症 状
突然の腹部膨満、落ち着きのなさ、吐き気(何も出ない)、よだれ、呼吸困難、虚脱などが見られ、進行するとショック状態に至ります。
検査診断
触診、レントゲン検査などで胃の拡張とねじれを確認します。身体検査や血液検査でショックの進行や全身状態を評価します。不整脈が多く発生することも多く心電図や血圧のモニターの術前から術後にかけてしっかり行う必要があります。
治療法
緊急的に胃内容物や胃のガスを排出後、外科手術で胃を元の位置に戻し、固定します。ショックへの対応として点滴治療や薬剤投与が併用されます。内科的治療だけの場合の再発率は7〜8割と非常に高く、根本治療のためには手術が必要です。不整脈があればその治療が必要になることもあります。

肝臓腫瘍かんぞうしゅよう

概 要
肝細胞癌や胆管癌などの悪性腫瘍や、肝細胞腺腫などの良性の腫瘍があります。肝臓腫瘍は発生しても症状が出づらく、発見時には非常に大きいサイズになっていることがあります。肝臓腫瘍の多くは手術により根治が見込めるものですが、動物の年齢や手術のリスクによっては手術をしないという選択肢が適切な場合もあります。また、転移性腫瘍も多く見られますが、その場合は手術の適応とならないことがほとんどです。
症 状
初期症状は乏しいものの、元気消失、嘔吐、食欲不振、体重減少が見られることがあります。進行すると⻩疸、腹水などが現れることがあります。
検査診断
レントゲン検査、超音波検査、CT検査で肝臓の形態を評価し、細胞診や組織生検で腫瘍の性質を特定します。また、血液検査で肝機能を確認します。
治療法
外科的切除が主な治療法で、腫瘍の種類や転移状況に応じて化学療法を併用します。切除できない位置にある場合や、肝臓全体に広がっている、などの場合は予後が悪いことが多く、対症療法が中心となります。
– 実際の症例(肝臓腫瘍)
肝臓腫瘍の症例
肝臓に形成された腫瘍

胆嚢粘液嚢腫・胆嚢破裂たんのうねんえきのうしゅ・たんのうはれつ

概 要
胆嚢粘液嚢腫は、胆嚢の中にゼリー状の粘液物質が貯留した状態です。原因ははっきりしていませんが、濃縮胆汁や胆泥などの刺激が引き金となり、「粘性物質」の産生が刺激されると考えられています。高脂血症のワンちゃんに多く見られます。状態が進むと、⻩疸や胆嚢破裂に伴う腹膜炎などの重篤な合併症を引き起こします。
症 状
軽度の場合には特に症状は表れません。胆汁の分泌障害が起こると、嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振、沈鬱などの症状が繰り返すようにみられます。胆道が閉塞すると⻩疸がみられ、重症の場合には胆嚢破裂や腹膜炎などの緊急状態となる可能性もあります。
検査診断
消化器症状の有無、血液検査で肝酵素の上昇があった際に肝臓の異常を疑い、超音波検査を実施します。胆嚢粘液膿腫の場合、超音波検査でキウイフルーツ様の断面像が認められます。また、その他の病気を区別するためにもレントゲン検査なども行うこともあります。軽度の場合は健康診断で発見されることも少なくありません。
治療法
臨床症状を伴わない軽度の場合には、内科療法(利胆薬、強肝薬、抗菌薬など)と低脂肪食などの食事療法を行います。ただし、徐々に進行する可能性があるため、定期健診をして経過観察が必要です。進行して臨床症状を伴っていた場合や、胆嚢破裂などの危険性がある場合は胆嚢切除を行います。胆嚢粘 液嚢腫と診断された犬のおおよそ1割がいずれ胆嚢破裂を起こすといわれています。進行して状態が悪くなってからの手術はリスクが高く、内科治療で改善が無かったり、進行しているような場合には無症 状のうちに胆嚢摘出を行うことが推奨されています。
– 実際の症例(胆嚢粘液嚢腫・胆嚢破裂)
異物誤飲の症例01

緊急性の高い症例が多い

軟部外科においては胃捻転や腸閉塞、異物誤飲など、緊急性の高い症例が数多く存在します。これらの疾患は迅速な診断と対応が求められ、放置すると命に関わる危険性が高いです。

そのため、家族である、愛犬・愛猫に異常が見られた際は、早期の受診を心がけ専門的な治療を受ける ことが重要です。動物たちの健康を守るために、専門医と連携して適切なタイミングでの対応を行うこ とが、最良の結果を導くために欠かせません。

どんな些細な症状でも見逃さず、迅速に行動することが大切です。

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