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病気のお話Disease Column

犬と猫の尿道閉塞について|おしっこが出ていないと危険かも!獣医師が解説

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「おしっこが出ていないかも。。」それは緊急事態かもしれません

「今日はまだトイレをしていない気がする…」

「何度もトイレに行くのに、おしっこが出ていない…」

このような様子が見られたら注意が必要です。

特に猫ちゃんでは、おしっこが出なくなる「尿道閉塞(にょうどうへいそく)」という病気が隠れている可能性があります。尿道閉塞は数日様子を見る病気ではなく、早急な治療が必要な緊急疾患です。

今回は、おしっこが出ていない時について詳しく解説していきます。

本当におしっこが出ていないのか確認しましょう

まずはおしっこが本当に出ていないのかどうかを確認しましょう。

以下の点に当てはまるか確認してみてください。

① トイレ以外の場所で排尿している

実際にはおしっこは出ている状態です。

粗相の原因として、

  • ストレス
  • 膀胱炎
  • 高齢による認知機能の低下
  • トイレ環境の変化

などが考えられます。

緊急性は高くありませんが、粗相が続く場合は動物病院にご相談ください。

② 頻繁にトイレへ行くが少量ずつ出ている

こちらもおしっこ自体は出ています。

考えられる原因として、

  • 膀胱炎
  • 尿路感染症
  • 尿石症
  • ストレス性膀胱炎

などがあります。

食欲や元気があるかも確認し、できるだけ早めに受診しましょう。

③ 何度も排尿姿勢をとるのに全く出ていない

この場合はおしっこが出ていない可能性があります。

緊急受診が必要です。

腎臓〜尿管〜尿道の経路の中で何らかの原因で詰まり、おしっこが出せなくなっている可能性があります。

尿道閉塞とは?

尿道閉塞とは、おしっこの通り道である尿道が詰まってしまう病気です。

詰まりの原因として、

  • 尿路結石
  • 炎症によってできた栓子(せんし)
  • 腫瘍

などがあります。

尿道が詰まると膀胱に尿がどんどん溜まり、おしっこを体の外へ排出できなくなります。

尿道閉塞になりやすいのは?

尿道閉塞は犬にも猫にも起こりますが、特に多いのは男の子の猫ちゃんです。

オス猫の尿道は、

  • 細い
  • 長い
  • 途中でカーブしている

という特徴があります。そのため結石や栓子が引っかかりやすく、尿道閉塞を起こしやすい構造になっています。

尿道閉塞の症状は?

尿道閉塞の初期では以下のような症状が見られることがあります。

  • 頻繁にトイレへ行く
  • 排尿姿勢をとるが出ない
  • トイレで長時間うずくまる
  • 陰部をしきりになめる
  • 落ち着きがない

症状が進行してくると、

  • 元気がなくなる
  • 食欲不振
  • 嘔吐

などの症状が現れます。

さらに重症化すると、

  • けいれん
  • 意識障害
  • 不整脈
  • 急死

につながることもあります。放っておくと非常に危険な病気なのです。

尿道閉塞はなぜ命に関わるの?

おしっこは体の老廃物や余分なミネラルを排出するために重要です。

尿道が詰まっておしっこが出なくなると、

  • 老廃物が体内に蓄積する
  • 腎臓に大きな負担がかかる
  • 血液中のカリウムが上昇する

といった状態になります。

特に高カリウム血症は不整脈を起こす可能性があるため、命に関わる危険があります。

そのため、尿道閉塞はできるだけ早く治療を開始することが重要です。

尿道閉塞での検査は?

閉塞が解除できたら、

  • 血液検査
  • 尿検査
  • レントゲン検査
  • 超音波検査

などを行い、

  • 腎機能
  • 電解質異常
  • 尿路結石の有無
  • 基礎疾患

を確認します。

尿道閉塞での治療法は?

尿道の閉塞解除

最優先で行うのが、尿道の詰まりを取り除く処置です。

尿道にカテーテルを挿入し、閉塞している物質を押し戻したり洗い流したりして排尿できる状態にします。

強い痛みや緊張がある場合には、鎮静や麻酔を使用することもあります。

尿道の閉塞を解除できない場合や何度も繰り返す場合には外科手術が適応になってきます。

入院が必要になることも

尿道閉塞は全身状態に大きな影響を与えるため、

  • 点滴治療
  • 尿量管理
  • 電解質管理

が必要になることがあります。

その子の状態によっては数日間の入院治療をおすすめする場合もあります。

再発予防のためにできることは?

尿道閉塞は再発しやすい病気です。

原因に応じて再発予防を行うことが大切です。

①水分摂取を増やす

尿が濃くなると結石や尿砂ができやすくなります。

水分の摂取量を増やすためには以下のような工夫がおすすめです。

  • 水飲み場を増やす
  • 循環式給水器を利用する
  • ウェットフードを取り入れる
  • こまめに新鮮な水へ交換する

十分な水分摂取は尿路疾患予防のために非常に重要になってきます。

②ストレスを減らす

猫ではストレスが膀胱炎の原因となり、尿道閉塞につながることがあります。

  • 落ち着ける隠れ場所を作る
  • 生活環境を急に変えない
  • 十分な遊び時間を確保する

などを心がけましょう。

③トイレ環境を整える

特に猫ちゃんではトイレ環境も重要です。

おすすめの環境は、

  • トイレの数は「猫の頭数+1個」
  • 体長の1.5倍以上の大きさ
  • 十分な砂の深さ
  • 毎日清潔に保つ
  • 食事場所から離して設置する

ことです。

トイレ環境を見直すだけでも尿路トラブルの予防につながります。

まとめ

尿道閉塞は、特に男の子の猫ちゃんで多くみられる緊急疾患です。

「何度もトイレへ行くのにおしっこが出ない」

そんな様子が見られたら、様子を見ずにすぐ動物病院へご相談ください。

早期に治療を開始できれば、多くの犬・猫で良好な回復が期待できます。

普段から排尿回数やトイレの様子を観察し、小さな変化に気づいてあげることが大切です。気になる症状がありましたら、お気軽に当院までご相談ください。

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