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MEDICAL

消化器科Gastroenterology

早期発見の重要性

消化器は、食道・胃・小腸・大腸・膵臓・肝臓・胆嚢など幅広い臓器の総称です。動物も人と同じように、お腹の調子が悪くなり、下痢や嘔吐をすることがあります。特に大きな問題にならない症状もありますが、中には重大な病気が隠れている可能性もあります。下痢や嘔吐などを軽く考えず、早めにご来院ください。少量でもよいので受診の際に便をお持ちください。

初期段階ではこのような症状があらわれます

  • 食欲がない
  • 便が緩い(軟便、下痢)
  • 便に血がつく(血便)
  • 便が出づらい(便秘)
  • 吐く
  • 吐いたものに血が混じる(吐血)
  • 元気がない
  • 痩せてきた
  • 尿の色、粘膜(口腔粘膜、眼球結膜など)や
    皮膚の色が濃⻩色〜オレンジ色をしている(⻩疸)
  • その他

これらの症状は消化器疾患だけでなく他の病気の症状としてもよくみられます。症状とその程度から必要な検査を行い、診断に基づいて適切な治療プランを提案します。

当院の消化器科診療

内科的治療

内科的治療では、薬や食事療法、サプリメントを用いて治療を進めます。
軽症の場合、まず治療を試みて改善が見られない場合に、レントゲン検査や腹部超音波検査を実施します。中〜重症の場合は、詳細な検査を行った上で適切な治療を開始することを推奨しています。特に近年では、タンパク漏出性腸症や炎症性腸疾患(IBD)に罹患する動物が増加しています。一般的に、通常の治療や検査に反応せず、消化器症状が3週間以上続く場合は、精密検査を行うことをお勧めします。これらの疾患では、特に食事療法が重要となります。低蛋白血症が改善しない場合や下痢が続く場合は、一度ご相談いただくと良いでしょう。

その他の治療法

外科手術が必要となるケースもあります。異物による腸閉塞や腹部の消化管腫瘍では、迅速な治療が求められることがほとんどです。また、一部の消化管腫瘍(リンパ腫など)においては、手術ではなく抗がん剤による治療が適している場合もあります。

主な消化器の検査内容

検査内容については、患者の病状にとって適切と思われるものを選択し、
ご提案させていただきます。

01.問診と身体検査

飼い主様より、今までの病歴や現在の症状に関してのお話を伺います。また、お腹の張り具合や異常の有無を触診したり、粘膜の色を確認したり、全身を調べます。

02.糞便検査

便の硬さ、色、臭い、形状を肉眼で観察し、糞便中に寄生虫やその卵が出てきていないかなどを顕微鏡で調べます。

03.レントゲン検査

X線を使ってお腹の臓器の大きさや形、位置に問題がないかなどを検査します。必要に応じて、バリウムなどの造影剤を用いて造影X線検査を行います。造影することで、消化管の流れや位置の変化、異物による閉塞が存在しないかを調べます。

04.超音波検査

超音波を発するプローブ(探触子)をお腹にあてて臓器の状況を調べる検査です。お腹の状況を精査するには欠かせない検査で、動物に対しても負担が少ないです。
肝臓や胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、大血管などの様子をリアルタイムで観察でき、病気の早期発見にも役立ちます。消化器疾患は、重度の異常がないと症状が現れづらく、どの疾患でも症状が似ているため、病気の診断のためにとても重要です。

05.内視鏡検査

先端に超小型のビデオカメラを備えた管(内視鏡)を口や鼻、肛門から挿入し食道や胃、十二指腸の内部を直接観察する検査です。誤って飲み込んでしまった異物の摘出や、消化管内部の病変組織(ポリープ、腫瘍等)の採取、摘出をすることもできます。

犬猫の主な消化器疾患

急性胃腸炎きゅうせいいちょうえん

概 要
急性胃腸炎は、突然の胃腸の炎症により消化器症状が現れる一過性の胃腸炎です。感染性(細菌、ウイルス)や非感染性(毒物、アレルギー、ストレス)が原因となることが多いです。
症 状
嘔吐、下痢、元気消失、脱水が主な症状です。一部では血便や粘液便が見られることもあります。症状が急激に悪化する場合があり、迅速な対応が必要です。
検査診断
問診と身体検査に加え、便検査や血液検査を行い原因を特定します。症状がひどい場合は、レントゲン検査や超音波検査で内臓の状態を確認したり、細菌やウイルスの検査を実施することもあります。
治療法
軽症の場合は絶食や制吐薬、整腸剤などで治療します。脱水が進行している場合は点滴で補正し、重度の場合は入院が必要です。

慢性腸症まんせいちょうえん

概 要
慢性腸症は、3週間以上、下痢や嘔吐といった消化器の症状が続いている状態のことです。特定の原因が判明しない場合も多く、炎症性腸疾患(IBD)として分類されることもあります。
症 状
慢性的な下痢や嘔吐、体重減少、食欲低下が特徴です。一部では便に血液や粘液が混じることもあります。症状は断続的に現れることがあります。
検査診断
血液検査や便検査に加え、内視鏡検査や生検で腸壁の異常や炎症の程度を確認します。場合によっては食物アレルギーの有無も調べます。
治療法
炎症を抑えるための薬(ステロイドや免疫抑制薬)を使用し、特別な食事療法を併用します。症状をコントロールするために定期的な診察が必要です。腫瘍が原因の場合は外科手術をする場合もあります。

膵 炎すいえん

概 要
膵炎は膵臓が炎症を起こし、消化酵素が膵臓内で異常に活性化することで組織を傷つける疾患です。進行の仕方によって「急性膵炎」と「慢性膵炎」の2つに分けられます。肥満や脂質の高い食事、糖尿病などの内分泌疾患などが原因となることが多いです。
症 状
激しい嘔吐、下痢、食欲低下、腹痛が典型的な症状です。重症の場合、ショック症状や多臓器不全を引き起こすことがあります。ほかの消化器症状と区別が付かないことが多いですが、慢性膵炎でも急性期には急性膵炎と似た症状がみられます。
検査診断
血液検査で膵酵素(リパーゼ)や炎症マーカー(CRPなど)の上昇を確認します。また、超音波検査やレントゲン検査で膵臓の腫れや炎症を観察します。必要に応じて膵臓の生検を行うこともあります。
治療法
初期治療は点滴による水分補給と栄養管理で膵臓を休めることが重要です。必要に応じて鎮痛剤や抗生物質を投与します。慢性の場合は低脂肪食の管理が鍵です。

猫の肝ねこのかんリピドーシス(脂肪肝しぼうかん

概 要
肝リピドーシスは、猫が急激に食事を摂取しなくなった際、肝臓に脂肪が異常に蓄積して機能が低下する疾患です。命を落とすこともよくある危険な状態です。特に肥満の猫に多く見られ、早期治療が重要です。
症 状
食欲不振、体重減少、⻩疸(皮膚や目の白い部分が⻩色くなる)、よだれ過多、嘔吐、無気力などが見られます。重度の場合、意識障害や昏睡に至ることもあります。
検査診断
血液検査で肝酵素値やビリルビン値の異常を確認し、超音波検査で肝臓を観察します。場合によっては生検を行うこともあります。
治療法
強制給餌や経鼻胃管・経食道チューブを用いて栄養補給を行い、肝機能をサポートします。状態が改善してきても、自発的に十分な量の食事をとるまで回復するのに、時間がかかることも多く、その間は継続的な栄養補給が必要です。

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