猫は痛みを隠す?見逃したくない猫の痛みのサイン
CATEGORY: 整形外科

「猫は痛みに強い」と聞いたことはありませんか?実は、猫が痛みに強いというよりも、痛みを隠すのがとても上手な動物だと考えられています。
もともと野生で生活していた猫にとって、弱っている姿を見せることは敵に狙われるリスクにつながります。そのため、本能的に体調不良や痛みを表に出しにくい傾向があります。
「歳をとったから寝ている時間が増えたのかな」「最近、高いところに登らなくなった」「なんとなく動きがゆっくりになった」など、何気ない変化の裏に、実は「痛み」が隠れているかもしれません。
今回は、猫の痛みの種類や、ご家庭で気づくことのできるサインについて解説します。
猫の痛みには「急性」と「慢性」があります
猫が感じる痛みは、大きく急性疼痛と慢性疼痛に分けられます。
急性の痛み
急性疼痛とは、突然起こり、比較的短い期間にみられる痛みです。ケガや骨折、炎症、急な病気、手術後などが原因となります。
原因がはっきりしていることも多い一方で、猫は痛みを隠してしまうため、飼い主さんから見ると「思ったほど痛そうに見えない」こともあります。
慢性の痛み
慢性疼痛とは、長期間にわたって続く痛みです。
特に猫では、変形性関節症などによる関節の痛みが隠れていることがあります。
慢性的な痛みは徐々に進行することも多く、「歳をとったから仕方ない」と思われてしまうことがありますが、長期間続く痛みは猫にとって大きな負担となり、QOL(生活の質)の低下につながる可能性があります。
「歳のせい」と思っていませんか?

猫の慢性的な痛みでは、「鳴いて痛がる」「足を引きずる」といった分かりやすい症状が出るとは限りません。
むしろ、「以前できていたことを、最近しなくなった」という小さな変化として現れることがあります。
たとえば、以前は簡単に登っていたソファやキャットタワーに登らなくなったり、階段を避けるようになったり、寝ている時間が増えるなどです。
年齢による変化だと思っていた行動が、実は関節などの痛みによるものだった、ということもあります。
こんな様子はありませんか?
猫ちゃんが痛みを感じている場合、次のような変化がみられることがあります。
- ジャンプをしなくなった、以前より低い場所にしか登らなくなった
- キャットタワーや階段を使わなくなった
- 寝ている時間が増え、活動量が減った
- グルーミングをしなくなった、または特定の場所ばかり舐める
- 触られるのを嫌がったり、怒ったりするようになった
- 食欲が低下した、食欲にムラが出るようになった
- 目を細める、頭を下げるなど、表情や姿勢が変わった
特に大切なのは、その猫ちゃんにとって以前と何が変わったかです。
毎日一緒に過ごしている飼い主さんだからこそ、「そういえば最近やらなくなったな」と気づけることがあります。
痛みが疑われる場合は?
痛みが疑われる場合には、まず診察で歩き方や姿勢、関節の動き、痛みがありそうな場所などを確認します。
必要に応じてレントゲン検査や血液検査、超音波検査などを行い、痛みの原因を探していきます。
猫ちゃんは病院では緊張してしまい、普段と違う動きをすることも少なくありません。
「家では歩き方がおかしいのに、病院では普通に歩いている」ということもあります。
そのため、歩いているところや階段を上り下りするところ、ソファやキャットタワーへジャンプするところなど、気になる様子をスマートフォンで動画に撮っておくことをおすすめします。

診察時に動画を見せていただくことで、痛みの原因を考える大きな手がかりになることがあります。
痛みを和らげることで生活が変わることも
痛みの原因によって治療方法は異なります。
痛み止めなどのお薬による治療だけではなく、体重管理や生活環境の改善が重要になることもあります。
たとえば関節に痛みがある猫ちゃんでは、高い場所へ登りやすいようにステップを設置したり、トイレの段差を低くしたり、床を滑りにくくしたりするだけでも、日常生活の負担を減らすことができます。
適切に痛みを管理することで、「また高いところに登るようになった」「以前より動くようになった」など、日常生活に変化がみられることもあります。
まとめ

猫は痛みを隠すのがとても上手な動物です。
そのため、分かりやすく痛がる様子がなくても、ジャンプをしなくなった、活動量が減った、グルーミングや性格が変わったなど、日常生活のちょっとした変化に痛みのサインが隠れていることがあります。
毎日一緒に暮らしている飼い主さんが感じる「なんとなくいつもと違う」という変化は、とても大切な情報です。
気になる変化がありましたら、お気軽にご相談ください。


