犬や猫の体に水がたまる病気とは?腹水・胸水・肺水腫・むくみについて
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「最近、お腹が大きくなってきた」
「なんとなく顔がむくんでいる気がする」
「以前より呼吸が苦しそう」
と感じることがあるかもしれません。
こうした変化の原因の一つとして、体の中に水分が異常にたまっている状態が考えられます。
水は犬や猫の体を維持するために欠かせないものですが、通常より多くの水分が特定の場所にたまると、さまざまな症状を引き起こすことがあります。
今回は、犬や猫の体に水がたまる代表的な状態である「腹水」「胸水」「肺水腫」「浮腫(むくみ)」について解説します。
水は体の中でどんな役割をしている?

水は体重の大部分を占める重要な成分です。
体内では、
・血液として栄養や酸素を運ぶ
・体温を調節する
・細胞の働きを維持する
・代謝に関わる
・尿として老廃物を排出する
など、さまざまな役割を担っています。
健康な状態では、飲水や食事などから取り入れる水分と、尿や呼吸などから失われる水分のバランスが保たれています。
しかし、心臓や腎臓、肝臓などの病気によってこのバランスが崩れると、体の一部に水分が過剰にたまることがあります。
「水がたまっている」という状態そのものが、何らかの病気のサインになっている場合があるのです。
お腹に水がたまる「腹水」

腹水とは、お腹の中(腹腔)に液体が異常にたまった状態です。
腹水が増えると、お腹が徐々に膨らんでくることがあります。
ただし、腹水があるからといって必ずしも元気や食欲がなくなるわけではありません。原因や腹水の量によっては、普段とあまり変わらないように見えることもあります。
腹水の量が多くなると、
・お腹が張る
・食欲が低下する
・吐き気や嘔吐
・動きたがらない
・呼吸が苦しそう
などの症状がみられることがあります。
腹水の原因は?
腹水を引き起こす原因はさまざまです。
代表的なものとして、
・心臓病
・肝臓の病気
・低タンパク血症
・炎症や出血
などがあります。
そのため、腹水を見つけた場合には「水を抜けば終わり」ではなく、なぜ腹水がたまったのかを調べることが重要です。血液検査や超音波検査、レントゲン検査などを組み合わせて原因を探します。
胸の中に液体がたまる「胸水」

胸水は胸腔内に液体がたまった状態です。
胸水が増えると肺が十分に膨らみにくくなり、呼吸が苦しくなることがあります。
特に、
・呼吸が速い
・胸やお腹を大きく動かして呼吸する
・横になりたがらない
・舌や歯ぐきの色がおかしい
などの症状がある場合は注意が必要です。
猫では、呼吸が苦しいときに口を開けて呼吸する「開口呼吸」がみられることがあります。
猫の開口呼吸は正常な行動ではなく、重度の呼吸困難を示している可能性があります。
口を開けて苦しそうに呼吸している場合は、緊急性が高いため、すぐに動物病院を受診してください。
胸水の原因は?
胸水の原因には、
・心臓病
・腫瘍によるもの
・感染症や外傷
・出血
・リンパ系の異常
・低タンパク血症
などがあります。
また、胸水は必ずしも透明な液体とは限りません。原因によって、血液が混じったものや、乳白色に見えるものなど、性状が異なります。
そのため、必要に応じて胸水を採取して成分を調べる検査を行います。
肺に水がたまる「肺水腫」

肺水腫も「肺に水がたまる病気」と説明されることがありますが、胸水とは水が存在する場所が異なります。
胸水は肺の周囲に液体がたまるのに対して、肺水腫では肺の内部、特に肺胞周囲に液体がたまります。
肺は酸素を体内に取り込むための重要な臓器で、肺に液体がたまると酸素を取り込みにくくなり、急激な呼吸困難を起こすことがあります。
肺水腫の原因としては心臓病がよく知られていますが、心臓以外の原因によって発生することもあります。
体の一部が腫れる「浮腫(むくみ)」
体の一部が腫れている場合には、「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれる状態が関係していることがあります。
浮腫とは、血管やリンパ管の外側に水分が過剰にたまった状態です。
例えば、
・顔が腫れている
・足が太くなっている
・皮膚がいつもより張っている
・左右で足の太さが違う
といった変化として気づくことがあります。
犬や猫は被毛に覆われているため、軽度のむくみは見つけにくい場合もあります。
浮腫の原因には、心臓病、腎臓病、低タンパク血症、炎症、リンパ管の異常など、さまざまな病気が考えられます。
「水がたまる場所」で緊急度が変化します
体に液体がたまる状態は、すべて同じ危険度ではありません。例えば、腹水が少量で全身状態が安定しているケースもあります。
一方で、胸水や肺水腫によって呼吸が障害されている場合には、短時間で状態が悪化する可能性があります。
そのため、「水がたまっているかどうか」だけではなく、
どこに、どの程度たまっているのか、なぜたまったのか
を確認することが重要です。
こんな変化があれば早めに受診しましょう
以下のような症状がみられた場合は、早めに動物病院へご相談ください。
・お腹が急に大きくなった
・呼吸がいつもより速い
・猫が口を開けて呼吸している
・顔や足が腫れている
・歯ぐきや舌の色がおかしい
特に呼吸状態の変化は緊急性が高い場合があります。
「少し様子を見よう」と考えず、明らかに呼吸が苦しそうな場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。
まとめ
犬や猫の体に水分が異常にたまると、腹水、胸水、肺水腫、浮腫(むくみ)などとして現れることがあります。
これらは単なる「水分のとりすぎ」ではなく、心臓病や腎臓病、肝臓病、腫瘍、炎症など、さまざまな病気が背景にある可能性があります。
特に呼吸が苦しそうな場合や、猫が口を開けて呼吸している場合は緊急性が高いため、早急な診察が必要です。
「最近お腹が大きくなった気がする」
「呼吸が以前と違う」
「顔や足が腫れている」
など、気になる変化があれば、お早めにご相談ください。


